胸がどきどき・・・
大部分は問題ありませんが、受診が必要な場合と検査について解説します。
目次
動悸とは?
「脈が速い、脈が強い、脈が飛ぶ」を医学ではまとめて動悸と言います。運動や緊張で心臓の鼓動が速くなり、「ドキドキ」と動悸を感じたことは誰でもあるのではないでしょうか?しかし、リラックスしていたり、ゆっくり動いている時にも動悸がする場合は不整脈の可能性があります。
心臓とは限らない動悸の原因
心臓に関連する原因
ほとんどの不整脈は精密検査や治療は不要ですが、まれに深刻な病気が原因のこともあります。心臓の機能やの弁に問題がある場合も、動悸がする場合があります。
心臓以外の原因
一部の医薬品、ハーブ、サプリメントで脈が速くなることがあります。動悸を起こす薬としては、喘息用の吸入薬(気管支拡張薬、β刺激薬)や貼り薬(ツロブテロールテープ)が代表的です。また、コーヒー、紅茶、炭酸飲料に含まれるカフェインや、アルコール、タバコなども動悸の原因となります。
その他に、甲状腺機能亢進症、貧血、パニック発作、更年期障害が動悸の原因として多く見られます。なお、7人に1人は動悸の原因が特定できませんが、このような場合の動悸は問題ないことがほとんどです。
動悸の原因
- 心疾患(弁膜症、心不全、不整脈)
- 薬の副作用
- カフェイン
- アルコール
- タバコ
- 甲状腺機能亢進症: バセドウ病など
- 貧血
- 低血糖(血糖値70 mg/dL以下と病的な場合)
- パニック発作
- 更年期障害
- 脱水
動悸の検査はまず心電図、血液検査から
運動をしていないのに動悸がする場合、動悸に加えてめまいや息切れがある場合は、早目の診察をお勧めします。
病歴を聞いた後、必要に応じて検査を行います。代表的な検査は以下の通りです。
- 安静時心電図検査: 一定の時間心拍を記録します。
- 血液検査: 甲状腺機能、貧血、電解質などを確認します。
- ホルター心電図:24時間心電図を装着します。不整脈は出たり消えたりするため、短い時間では補足できないことがあります。24時間心電図を装着することで、タイミングよく不整脈を記録できる可能性が上がります。最近ではスマートウォッチを併用することもあります。
- 心臓超音波検査:心臓の弁や動きに問題ないか確認します。
動悸の治療法について
動悸が心臓病や病気と関連している場合、原因に応じて治療を行います。
特定の食品、飲料(アルコール、カフェイン)、薬の影響で動悸がする場合は、量を減らすと動悸が止まる可能性があります。
不安やストレスが原因の動悸は、コントロールが難しい場合があります。不安が動悸の原因となり、動悸が不安を生む悪循環となることもあります。このような場合、不安を和らげるための薬を処方することがあります。
原因が全くわからない動悸では、漢方薬を使うこともあります。例:炙甘草湯(64番)、柴胡加竜骨牡蛎湯(12番)、加味逍遙散(24番)、柴朴湯(96番)など。
参考文献
National Heart, Lung, and Blood Institute: Heart Palpitations
投稿者プロフィール
- あかし内科クリニック(大阪府柏原市)の副院長です。総合内科専門医、家庭医療専門医・指導医、救急科専門医、医学博士。診療所から大病院まで、色々な医療機関で研鑽してきました(現在も継続中)。「最初に何でも相談できる医者」を理想とし、日々診療しています。
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